耳垢がベタベタしていないか??
わきがの体質の人の耳垢は乾燥していて粉っぽい状態ではなくて、ネバネバとキャラメル状で常に湿っていてベタベタしています。
これはわきが体質の人の最大の特徴なんです。
「アメ耳」「ベタ耳」とも呼ばれることがあり、この体質の人はほとんどこれに当てはまります。
これは、わきがの原因となっているアポクリン腺が耳の中(外耳道)に多く存在していて活発に活動し、アポクリン汗の成分が耳垢に混ざってネバネバの状態となるからです。
耳の中にこれが多いということは、わきの下にも多いと考えられるのです。
このアポクリン腺は、わきの下、乳首周り、陰部、耳の中に分布しており、マンマリーラインと呼ばれています。
アポクリン腺から汗が多く出るほど、わきがは重度となると言われています。
お風呂上り・プールで泳いだ後などの耳垢は、水分を含んだ状態で湿っているので、ベタベタしているのか乾燥しているのかの判断がつきにくいです。
このような状態の時を避けて、耳掃除をしつつ耳垢の状況を確認してみましょう。
アポクリン腺は毛根の近くに多く存在しますので、耳の中の毛が濃くて太い場合もわきがの可能性が高くなりますので、耳の穴の毛の状態もチェックポイントとなります。
洋服のワキ部分に黄ばみやシミができやすいか??
恒温動物である人間は、体温調節のため汗腺のある部位から汗をかきます。
これは男女ともに変わらない仕組みですが、気温の上昇する夏などの発汗量はかなりなものとなります。
頭皮・背中も汗をかきやすい部位ではありますが、わきの下もかなりの発汗量の部位の一つで、アポクリン汗腺が発達している場合があるのです。
ここから出る汗はその独特な臭いの原因となっています。
アポクリン汗腺から出る汗は、タンパク質・脂質・糖質・アンモニア・鉄分などの物質を含んでおり、粘り気のある黄色っぽい色をしています。
そのため、これらの成分が洋服のワキ部分に付着することで黄ばみやシミが出来てしまうのです。
わきがかどうか、またはわきがの度合いをチェックする場合は、事前のデオドラントスプレー等の使用を控えてみましょう。
通常通りに過ごしていて洋服に黄色いシミが付く場合は、その色の濃さ・シミの付いた範囲の広さもチェックポイントとなります。
ちなみに大量の汗をかく部位である背中にはエクリン線があり、ここから出る汗の成分は微量の塩分を含んだほぼ水分ですのでサラサラしていて臭いも弱いです。
ワキ毛は濃いか??
アポクリン腺は毛根と出口を共用しています。
そのため、ワキ毛の量が多い場合はアポクリン腺の量も、結果としてアポクリン腺からの分泌物の量が多くなります。
但し、わきが体質を持っているのかそうでないのかという点においては、性別によってワキ毛とアポクリン腺の関係性が違っていることが分かっています。
男性の場合は猫毛のような柔らかくて細いサラッとしたワキ毛が広範囲に生えている人、女性の場合は太毛で1つの毛穴から2本3本といくつかのワキ毛が生えている人にアポクリン腺が多く、わきが体質の可能性が高いと言われています。
アポクリン腺は上記の通り、ワキの下以外の部位にも存在しますので、それらに生えている毛の濃さもチェックポイントとなります。
全体的に体毛が濃い人もわきが体質である可能性が高いですが、一番の基準部位はワキ毛だと言われています。
毛が太くしっかりしていて長いということは、その部位の毛根が発達しているということになります。
それはアポクリン腺も発達しているという可能性が高くなり、その働きも活発であるために分泌物の量も多くなるのです。
さらにワキ毛が濃いと臭いもこもりやすくなり、そこで発生する臭いもさらに強くなってしまうのです。
両親のどちらかがわきがでないか??
わきがの遺伝は優性遺伝ですので、高い確率で子供に遺伝します。
両親共にわきが体質の場合は残念ながら約80%(正確には75%~93%)と高い確率で子供もわきがになってしまいます。
両親のどちらか一方がこの体質の場合、その確率は50%~くらいになると言われています。
祖父母や親せきなどにわきが体質の人がいる場合は、その確率は下がりますが同じくわきがになる可能性はあります。
優性遺伝というのはとても強いもので、生き物が生き残っていくための一つの手段ですので、良し悪しに付け特徴的なものが遺伝子に残って後世へ伝えていくものとなっているようです。
日本では元来わきが体質を持つ人は少ないと言われており、その体質を持つ人口は全体のおおよそ10%~20%だと考えられています。
人口的に見ても、わきが体質の人は非わきが体質の人と結婚することが多いということになりますが、この体質は優性遺伝のため、非わきが体質でありながらその遺伝子を半分隠れ持つ人が多いということになるのです。
そういった組み合わせで考えると、この遺伝割合は3/4ということになり、結果的に約75%の確率でわきが体質が遺伝するという、高い確率になりうると言えるのです。
生命の生存本能のすごさに驚く事実ですね。
わきがかも?と思ったら専門医へ
以上のわきがチェックポイントをしてみて思い当たる点が多かった場合、わきが体質の可能性が高いです。
ですけど、これらの自己診断では100%とは言えません。
あくまでも、可能性の高さだということです。
自己判断で間違った治療法をしてしまって大変な事態になる前に、わきがかもしれないと思ったら早めに専門医へ相談に行きましょう。
専門医ではアポクリン腺の数・質の検査、自分では慣れてしまっていて気が付かないわきの下の臭いの強さなどを医学的に詳細に調べてくれます。
わきがは一般的に手術しないといけないと思われがちですが、全てのケースにおいてではありません。
その症状は軽いものから重いものまであり、その治療法もさまざまあるのです。
まずは自分の現状を把握し、それに適切な治療法を知り、臭いの悩みから解放されることなのです。
自己判断で早とちりをし、治療法や処置を失敗しないように、専門医の指導のもとに確実に対処しましょう。
わきがは病気ではありません。
しかし生活していくのに不都合なものがあれば、それを解決したほうが気持ちも楽になります。
そのための手助けをしてくれるのが専門医であると考えれば、病院を訪れる敷居も低いものとなるんじゃないでしょうか。